アウディが刷新した3.0リッターV6 TDI（コードネームEA897evo4）を発表した。Q5とA6に設定されるこのユニットはMHEV化と電動コンプレッサー採用、HVO対応を主な特徴とする。

エンジン単体の出力は295 hp、トルクは580 Nmで、MHEVはさらに24 hpと230 Nmを上乗せする構成である。減速時には最大25 kWを回生してLFPバッテリーに戻す仕組みを持ち、日常の発進や再加速を支える。

電動コンプレッサーはターボラグを打ち消し、低回転域でターボをアシストすることで発進や追い越し時の応答性を高め、燃料消費の低減にも寄与する。アウディは実走での速さも向上していると説明し、加速開始から最初の2.5秒で従来のディーゼルSモデルより約クルマ1台分多く距離を稼げると述べている。

HVOは廃食用油を含む廃棄物由来の加水素処理植物油を指し、使用時にはCO2排出量を70〜95%削減可能とされる。新型V6 TDIはquattro駆動で、インゴルシュタットとネッカーズルムで生産され、出荷時にタンクにHVOが入った状態でラインオフすることも報告されている。ディーゼル技術をよりクリーンに洗練する取り組みとして位置づけられている。