米映画芸術科学アカデミーが主催する第16回ガバナーズ賞が11月16日（現地時間）にロサンゼルスのレイ・ドルビー・ボールルームで開催され、トム・クルーズがアカデミー名誉賞を受賞した。授賞に際しては、2026年10月公開予定のタイトル未定の新作でクルーズと初タッグを組んだアレハンドロ・G・イニャリトゥがプレゼンターを務めた。

クルーズは登壇し、映画製作に携わるすべての仲間や映画という文化の力を讃えるスピーチを披露した。スピーチでは「映画は世界中へ私を連れていってくれる。違いを理解し、尊重することを教えてくれる。そして私たちが多くの部分で同じ人間であることを示してくれる。劇場という空間では、出自がどこであろうと、皆で笑い、感じ、希望を抱く。それこそが映画の力だ」と述べた。

続けて「映画をつくることは、私が何をしているかではなく、私が誰であるかそのものだ」と締めくくった。式典では振付師のデビー・アレンや美術監督ウィン・トーマスにも名誉賞が贈られ、ジーン・ハーショルト人道賞を受けたドリー・パートンは欠席のため事前収録のメッセージが上映された。同サイトではクルーズのスピーチ全文も掲載されている。クルーズのこれまでの代表作として『７月４日に生まれて』『ザ・エージェント』『マグノリア』『トップガン マーヴェリック』が挙げられ、いずれもアカデミー賞でのノミネート歴があるが従来は受賞に至っていなかった事実も報じられている。