1985（昭和60）年10月22日、ホンダ初の高級セダン「レジェンド」が発表され、発売は翌日であった。高級セダンとしては希少なFFレイアウトを採用し、ホンダ初のV6エンジン搭載車として大きな注目を集めた。

「レジェンド」はローバー社との共同開発で誕生し、1987年には欧州で「800シリーズ」として発売された。BL（ブリティッシュ・レイランド）社との提携経緯や、BLが1986年にローバー社へ改称した流れも解説されている。

1990年にはホンダとローバー社が資本提携を結び、1990年～1994年にかけて多くの共同開発車やOEM供給車が登場した。具体例として、ローバー600シリーズはアコード系の「アスコットイノーバー」をベースとし、ローバー400シリーズは「コンチェルト」の兄弟車、ローバー200シリーズは「バラード」がベースとされている。

またホンダは1993年～1998年にランドローバー「ディスカバリー」のOEM供給を受け「クロスロード」を販売し、一定の人気を得たことも記載されている。車体面ではCd値0.32の優れた空力性能や低いフロントノーズ、広い室内空間を特徴とする4ドアセダンで、5ナンバーと3ナンバーの両方を設定。1987年には2ドアハードトップも用意され、インテリアも高級車らしくまとめられていた。さらに1986年3月に米国で立ち上げた高級ブランド「アキュラ」のフラッグシップモデルとしての期待も述べられている。