日産の海外向け高級ブランド「インフィニティ」は2025年8月15日、米国の自動車祭典「モントレー・カーウィーク」内のイベント「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」で、新型SUV「QX80」をベースにしたコンセプトカー2台を発表した。

そのうちの1台、QX80 Terrain Spec concept（テレインスペックコンセプト、以下QX80テレインスペック）は、ラグジュアリーと冒険心を両立させたオフロード志向のモデルとして紹介された。現行QX80は全長5364mm×全幅2116mm×全高1946-1981mm、ホイールベース3076mmという堂々たるサイズで、今回のコンセプトもその骨格を活かしている。

パワーユニットは最高出力450馬力・最大トルク700Nmを発揮する3.5リッターV型6気筒ツインターボを搭載し、9速ATと組み合わせる構成である。外観は車高を引き上げ、全地形対応タイヤや耐久性の高いフェンダーフレアを装着し、悪路での保護用にリムライザー（ワイヤー式ガード）や前後の保護カバーを備える。

装備面ではルーフマウントのライトバーやポップアップテント、サテン調ダークバサルトのビニールラップとサイド出しエキゾーストなどでタフな印象を強調している。さらに、先進的な画像処理で車体直下を映し出す「インビジブルフードビュー」や周囲の障害物を確認できる「3Dアラウンドビューモニター」など、オフロード走行を支援する技術も採用されている。

QX80テレインスペックはオーバーランディングをラグジュアリーに楽しむ用途を想定したコンセプトであり、北米を中心に展開されるQX80の新たな可能性を示す提案である。