この夏に向けて書評委員たちが選んだ「夏に読みたい」3冊の本が紹介された。小説家の青山七恵さん、石井美保さん、隠岐さや香さん、酒井啓子さんらが推薦に名を連ねている。隠岐さや香さんは特に、心身の休息をテーマにした物語に注目している。物語の舞台は未来の世界で、冬眠が可能となり眠る人々を見守るガイドの存在が描かれる。時間と心の関係が解き明かされながら、読者は深い感情の動きを体験できる構成だ。本はパク・ソルメ著の『影犬は時間の約束を破らない』で、河出書房新社より刊行されている。青山七恵さんはデュ・モーリア著『レベッカ』、フィリパ・ピアス著『トムは真夜中の庭で』も推奨し、異なるジャンルの作品も夏読書にふさわしいと強調した。推し活でもこんな深い文学の世界に触れることで、気持ちの切り替えや新たな感動を得られるだろう。夏らしい軽やかさと同時に、心の癒しにもつながる作品選びの参考になるはずだ。