NHKの特集ドラマ「火星の女王」は小川哲の同名小説を原作とし、放送100周年の「宇宙・未来プロジェクト」の一環として製作された。舞台は2125年で、人類が火星に移住してから約40年がたった社会を描いている。

監督の西村武五郎は「テレビは見えない世界を見せてくれるものだと思っています」と述べ、本作を「見たことがないものを作る」意図で臨んだと語った。物語はロマン、恐怖、生活を通じて見えないものを描くことをテーマにしている。

キャストはスリ・リンが火星出身で目が不自由なリリ-E1102、菅田将暉が地球で暮らすISDAの職員・白石アオト、シム・ウンギョンがISDA火星支局長のガレ-J0517、岸井ゆきのがコロニーゼロ出身のチップ、滝藤賢一が出版社記者の北村をそれぞれ演じる。

劇中では火星の住民がISDA（イズダ＝惑星間宇宙開発機関）に支配される状況の下で、人知を超えた超常現象とともに謎の物体が突如出現し、その真相が各人物の運命に結び付いていく構成である。

また制作では地球チームと火星チームが一緒に撮影することがなかったことや、多言語が飛び交う現場の苦労が明かされ、俳優陣のやり取りや撮影方法にも注目が集まっている。