フジテレビ系連続ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』（通称『もしがく』）の最終回（第11話）が12月17日に放送され、関東地区の平均世帯視聴率は2.9％、個人視聴率は1.6％であった。脚本は三谷幸喜氏、主演は菅田将暉氏で、1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇である。

視聴率の数字だけで作品の価値を測る必要はない。主演の佇まいや共演者の化学反応、時代描写の細やかさに心を動かされた視聴者は確実に存在するはずだ。そういうときは、ただ個別に消費するのではなくて、友達を誘ったリバイバル会や小さな感想会を開いてみてほしい。こういう熱量って、結局“語れる相手”がいると一気に加速する。場を作れば、劇中のディテールや三谷作品の仕掛けを指摘し合いながら新たな視点が生まれるし、次の観賞予定ができることで推し活が現実に根づく。

一人でじっくり再視聴するのも良いが、今週末に同じテンションの人と会える場があるだけで気持ちが変わる。渋谷ロケ地巡りや時代考証をテーマにした散歩会、サウンドトラックを聴きながら語るカフェ会など、ちょっとした企画にすると参加のハードルも下がる。一人参加歓迎の集まりをきっかけに仲間ができれば、次のイベントの企画も自然に回る。視聴率は一つの指標に過ぎない。好きな場面を切り取り、仲間と共有する体験が何より推し活を続ける力になる。