『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は第7話から“第二幕”が始動したと伝えられている。久部（三成）を演じる菅田将暉は、事故に遭ったうる爺（井上順）の代役として是尾（浅野和之）にボトム役を依頼するが、是尾は『夏の夜の夢』の出演を拒み、代わりに『冬物語』のリオンティーズ役を求める。久部は是尾に心酔しているため、その要求を受け入れてしまう展開である。

　第7話では新たな人物トロ（生田斗真）が登場し、リカ（二階堂ふみ）と親密な関係が示される。これにより久部が狼狽し、物語の中心に新たな三角関係が生まれる場面が描かれる。既にリカと樹里（浜辺美波）を巡る久部の関係や、樹里を巡る久部と蓬莱（神木隆之介）の三角関係も存在しており、人間関係のもつれが一層複雑化している。

　また“コントオブキングス”の2人の物語も大きく動く。はるお（大水洋介）はテレビ局のプロデューサーから声をかけられてコンビ解消の道を進む一方、フォルモン（西村瑞樹）はその変化を受け入れられず苦悩する。劇中ではWS劇場にまつわる店名に『ペリクリーズ』や『テンペスト』などシェイクスピア作品の引用があり、『冬物語』というシェイクスピア後期のロマンス劇にちなむ展開が第二幕のテーマとして示唆されている。全体としては喜劇的要素とロマンス、悲劇性が折り重なる構造が顕在化しており、今後の展開への布石が多く散りばめられた回である。