明治「メルティーキッス」における新垣結衣のイメージが、この冬出口夏希へとバトンタッチされた。冬が近づくと流れるCMの柔らかなトーンや雪のようにとけるチョコレートとともに浮かぶ新垣結衣の笑顔は、季節を告げる合図のような存在であった。

同時にアース製薬「モンダミン」では、井森美幸が36年間にわたり顔を務めてきたが、製品リニューアルに伴い畑芽育へ交代した。長年の“看板女優”の交代は、単なる起用変更にとどまらず時代の価値観の転換を映す鏡でもあるという見方が出ている。

明治「メルティーキッス」は新垣結衣の“冬の妖精”のような存在感が定着していたが、新章へ向けての準備が整ったとして出口夏希を起用した。出口夏希はZ世代を中心に支持を集める若手女優で、透明感や自然体でありながら凛とした表情がSNS時代の共感を呼ぶとされる。

一方で「モンダミン」はコロナ禍以降の衛生意識の変化が大きな背景にあり、従来の“家庭の安心”に加え“自分で選ぶ安心”の視点も求められるようになった。そのためブランドは親しみやすさを保ちつつ現代の息づかいを取り入れる方向へと舵を切ったと報じられている。

どちらの交代も長年愛されてきた看板の刷新として注目され、広告文化における人物とブランドの重なり方の変化を示す例となっている。