企業が既存の楽曲を替え歌にして商品名や社名を入れるCMが今年増加している。広瀬すず、宮崎あおい、新垣結衣ら人気女優が出演する事例が目立ち、十六茶では新垣結衣が替え歌を用いたCMに出演している。広告関係者は、既存曲の印象の残りやすさやコミカルさを狙ったものだと分析している。

推し目線で見ると、替え歌CMは単なる広告以上の“コンテンツ”になり得る。お気に入りの女優が耳なじみのメロディで歌うだけで、懐かしさと新鮮さが混ざり、SNSで語りたくなる素材が生まれる。替え歌が安易だという意見もあるが、好きな側はそこで盛り上がりを作ればいい。例えばCMを切り出してプレイリストを作ったり、カラオケで替え歌チャレンジを企画したり、視聴会を開いて感想を語り合うのは純粋に楽しいアクションだ。こういう熱量って、結局“語れる相手”がいると一気に加速する。今週末に同じテンションの人と会える場があるだけで、推し活は現実に根づく。ひとり参加歓迎のイベントで気軽に声をかけ合い、会う体験を重ねていけば、推しの見方も深まるし新しい仲間もできる。CMを眺めて終わらせず、自分で小さな企画を立てる──替え歌をネタにしたフォトブースやミニパフォーマンス、商品を使った試食会など、遊び方はいくらでもある。推しを軸にした“語り場”と、会って楽しむ体験をセットにすると、趣味はもっと長く、濃く続いていくはずだ。