2025年、TBSで放送中のドラマ「イグナイト－法の無法者－」は、新米弁護士の宇崎を主人公に据えた異色のリーガルサスペンスである。主演の間宮祥太朗が演じる宇崎は、轟が代表を務める法律事務所に飛び込む若手弁護士だ。

このドラマは、作業員の事故や大学ラグビー部の問題、大病院の医療過誤など、さまざまな案件を通じて正義を追求していく様子を描く。多くは違法や無法というよりも、地道で緻密な法的取り組みが続く点が特徴だ。

しかし作品の中心にあるのは5年前の痛ましいバス事故である。薬を飲んだ運転手の過失とされたが、実際には自動運転システムのエラーが原因であり、その背後には権力と癒着した政治家の存在がある。

主演の宇崎は亡くなった運転手の息子、轟は事故で娘を失っており、二人にとってこの事件の真実と解明は単なる法律案件を超えた復讐でもある。

物語は、日常的な弁護活動という横軸と、首相官房長官を追い詰める復讐劇という縦軸の二つが巧みに交差しつつ最終盤へと向かう。

脚本は練られており、リーガルドラマとしての完成度も高い。劇中のテーマである「イグナイト」（着火）は最終的に完全燃焼の結末を期待させる。

間宮祥太朗の演技力が光る本作は、推し活を楽しむ視聴者にも強くおすすめできる作品だ。

今後の展開で宇崎がどのように真実を暴き、どのような決着を迎えるのかが注目される。

最愛の家族を奪われた者が法の無法者に挑むストーリーは、感情と法理が交錯する深いドラマ体験を提供している。