Mikikiの連載最終回では、2025年にリリースされたART-SCHOOL、ACIDMAN、RADWIMPSのトリビュート盤を軸に、2000年代の邦ロックが現行シーンへ与えた影響を総括している。ART-SCHOOLの25周年トリビュートにはASIAN KUNG-FU GENERATIONやストレイテナー、cinema staffらが参加し、下北系と残響系のつながりが改めて示されている。

見解・考察（楽しみ方の提案）

トリビュート盤は単なる過去の再録ではなく、推しを広げるための“拡張キット”だと捉えると楽しい。RADWIMPSやART-SCHOOLのオリジナルを知っている人は、新しい解釈を比べるだけでテンションが上がるし、若いバンド経由で初めて出会う人は自分のプレイリストが一気に厚みを増す。こういう熱量って、結局“語れる相手”がいると一気に加速する。友達とカバー曲のベスト版を決めるリスニング会を開いたり、歌詞やアレンジの違いをテーマにしたトークを設ければ、画面の中だけで終わらない“会う体験”になる。

具体的には、まず自分の“推しカバー”を3曲選んでミニプレイリストを作る。次にそのリストを持って、一人参加歓迎の音楽会やカフェで披露する場を探すと、推し活が日常の予定になる。今週末に同じテンションの人と会える場があるだけで、推し活は現実に根づく。さらに、自分で小さなトリビュート会を企画して、同世代と感想を交換する流れをつくれば、好きが企画になり、次のライブや復刻盤リリースの際に呼び水になるだろう。違う世代の解釈を知ること自体が、新しい推しの見つけ方になるはずだ。