2025.12.20

市民が彩った上府中公園の野外彫刻再生

2025.12.20

キービジュアル
市民の手で鮮やかに 上府中公園の野外彫刻 | 小田原・箱根・湯河原・真鶴 | タウンニュース

小田原市の上府中公園で11月23日、市民による野外彫刻の再塗装イベントが行われた。1990年の小田原城野外彫刻展の出展作のうち、公園に展示されている10点を戸田祐介(武蔵野美術大学教授)のガイドで鑑賞したのち、作品「エッサ・ホイ・サッサ」を作者の太田明甫の指導で24人が再塗装した。主催はおだわらミュージアムプロジェクトで、企画は作品の周知と維持を目的としている。

こういう市民参加型のアートは、単に鑑賞するだけでは味わえない距離感が一気に縮まる。ペンキを塗る手のひらに、作家の意思や素材の感触が伝わってくる瞬間があり、それは「推し」を語るときの熱量と同じ種類の充実感を生む。美術館や画面の外側で、仲間と一緒に体を動かして整備する体験は、作品への理解を深めるだけでなく、会って話すきっかけを作る。こういう熱量って、結局“語れる相手”がいると一気に加速する。

実践アイデアとしては、まずは近場の野外彫刻や公共アートの保全イベントに参加してみること。初めてでも一人参加歓迎の企画なら心理的ハードルが低いし、現地で出会った人と「次はこんな企画をやろう」と予定を立てれば推し活が習慣化する。仲間と小さな再塗装会や作品解説ツアーを自主企画するのも楽しい。ボランティアで得た写真や話題はSNSで共有すれば、同じ温度感の人が反応して輪が広がる。美術を“守る手”になってみると、好きの深まり方が変わるし、現実のイベントで仲間と会うことで推し活はより長く続いていくはずだ。

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