熊本市の繁華街・三年坂にあるとうふ料理店「鈴の家」は創業45年の老舗で、和の空間で四季を感じる豆腐料理を提供している。女将の松岡靖子は主婦だった39歳の頃に「自分の料理をみんなに食べてもらいたい」という夢を抱き、銀杏通りで総菜料理の店を始めた。

50歳で料理の腕を磨くため京都の料亭に10年間通い、そこで豆腐料理と出会った。その後、屋号を「鈴の家」に改め豆腐料理の専門店とし、59歳で東京の江戸懐石「近茶流」を習得して免許皆伝となった。現在は近茶流の正教授として料理教室も開いている。

看板メニューのランチ「鈴御膳」は鈴形の三段重で、ご飯、ごまどうふとさしみ湯葉、お惣菜が並ぶ。名物の「とうふの蒲焼き」は豆腐と山芋のたねを海苔に広げてきつね色になるまで揚げ、うなぎの蒲焼きのようなふわふわの食感を生んでいる。

ごまどうふやおから、揚げ出し豆腐など豆腐料理が豊富にそろい、特に人気の豆腐のチーズコロッケは豆腐と鶏ミンチのたねでチーズを包み揚げる一品である。松岡靖子は「美味しく食べていただくというのが、一番の私の望み」と語っている（「ランチにtouch」11月18日放送）。