12月5日に公開される映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』のキャスティング秘話が報じられた。心優しい漫画家志望の主人公・田丸均を板垣李光人、頼れる相棒・吉敷佳助を中村倫也が演じる。

本作は太平洋戦争中、昭和19年9月15日からはじまったペリリュー島の戦いと、終戦を知らず2年間潜伏し最後まで生き残った34人の兵士たちの姿を描く作品である。田丸は臆病で戦場には不向きな性格でありながらも、持ち前の絵の才能を見込まれ、「功績係」として戦地での自身の務めを果たしていく役どころである。

プロデューサーの石川啓は、「本作はペリリュー島の兵士たちの姿を田丸の目線で描いていますが、戦場で生きる田丸は常にそれを受け止めます。板垣さんの俳優としての技術、センスに加え、その言葉の一つ一つに田丸に通じる誠実な人柄を感じ、オファーしました」と起用理由を語っている。原作者で共同脚本の武田一義も、「今回の候補の中に板垣さんがいらっしゃると聞いたときに、YouTubeで素の板垣さんの声を聞いて田丸のイメージにすごく近いと思って、『ぜひお願いしたい』と伝えました。原作者が熱望したキャスティングです」と太鼓判を押した。

板垣は声優業初挑戦ながらメインキャラクターの1人・スバル役を担当した『かがみの孤城』（2022年）の経験があり、中村は映画『アラジン』（2019年）で主人公・アラジンの吹き替えを務め、『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』（2023年）でも映画オリジナルキャラクターで敵のドミトリ役を務めている。制作陣は両者の経験と声の表現力が本作の視点描写に合致すると判断しており、公開に向けて期待が高まっている。