2018年創業の「大名カレー中村屋」は、福岡市中央区の天神に隣接する大名でバーの昼間を間借りする形で始まった飲食店である。数十種類あるこだわりのスパイスを重ねたチキンやキーマ、スモーク料理で人気を集め、間借り営業や移転を経て2021年に再び創業の地である大名へ戻った。

その名店が研鑽を重ねて約一年ほど前にスパイスラーメンの提供を開始し、ラーメン好きを含む話題となった。訪問時は10時半ごろの来店で、昭和通り沿いの大きなマンション2階のテナントという立地で、中央区役所からも近い。

店内はカウンター席とテーブル席が並ぶオシャレなバーのような空間で、大きな窓から陽射しが差し込み明るく居心地が良い。券売機にはカレー中心のメニューとラーメンが並び、「特製スパイスラーメン 鶏そばVer.」は燻たま、ライスが付く構成で提供される。

「特製スパイスラーメン 鶏そばVer.」はスパイスの薫りが豊かでありながら鶏白湯のような出汁感のあるベーススープによりスパイスがやわらかく効いている。辛味より旨みが立つクリーミーな味わいで、複雑にブレンドされた旨みと薫り、ほどよい辛味のバランスが良い。具材は提供直前に炙られたスパイスの効いたチャーシュー、貝割れ大根、レモン、燻たまなどで、スパイスカレーの名店ならではの工夫が感じられる一杯である。