俳優の板垣李光人（23）は、来月5日公開のアニメ映画「ペリリュー－楽園のゲルニカ－」（久慈悟郎監督）で21歳の田丸を演じる。原作は武田一義の同名漫画で、パラオ諸島ペリリュー島を舞台にした史実が物語の背景である。

板垣は演じる上での誠意として、4月に自ら日本から南へ3000キロ離れたペリリュー島に上陸し現地を視察した。アフレコは8月に行われたが、現地での視察について「演じる上で最低限の誠意、ラインとして必要なもの」と述べている。

島では日本軍の陣地や九五式軽戦車に触れ、島民の陽気な生活と戦争の名残が同居する光景を目の当たりにしたという。田丸が母に宛てた「ここは楽園みたいですよ」という原作の描写が現地での実感と重なったと語った。

板垣は仲間の最期を遺族に書き記す「功績係」を命じられた若者という役柄設定を踏まえ、現地で得た体験が役の解像度に直結したと説明する。現地取材による具体的な経験が「戦争を見る視界がクリアになり、演じるに当たっての解像度につながった」との認識に結びついた。映画は12月5日公開であり、板垣の入念な準備は作品への真摯な向き合いぶりとして注目される。