小説『口に関するアンケート』が、板垣李光人主演、清水崇監督で実写映画化されることが発表された。原作はスマートフォンより小さな装丁とわずか60ページのボリュームで、SNSで「読後も内容を語れない」と話題になった背筋の作品である。

物語は心霊スポットとして知られる墓地へ向かった大学生たちが語る“食い違う証言”を手掛かりに、ある失踪事件の真相へ迫る構成だ。映画では5人の大学生が語る断片的な証言が交差し、観客は主人公・村井翔太とともに“あの夜”の真相へ迫っていく描き方が示されている。

主演の板垣李光人はNHK連続テレビ小説『ばけばけ』（2025）や映画『ババンババンバンバンパイア』（2025）で注目を集め、今回が実写映画単独初主演となる。板垣は「自分のホラー小説の概念が覆された」と原作に衝撃を受けたと語り、「清水監督のもとで過ごした時間は苦しくも貴重でした。映画を観た方にもあの衝撃を味わってほしい」とコメントしている。

監督の清水崇は『呪怨』（2000）や『犬鳴村』（2019）など日本ホラーの第一線を走る存在であり、原作者の背筋は『近畿地方のある場所について』の映画化が興行収入15.5億円のヒットを記録している。予測不能な展開と“口にできない結末”、そして清水監督が描く“静かな恐怖”の映像化に期待が高まる作品である。