第105回のニッポン図鑑のテーマは「ご当地パン」である。ふんわりと膨らんだ焼き立てのパンや小麦の香りがもたらす幸福感に注目して、各地で愛されるパンを紹介している。

懐かしさを感じるパッケージには「ずのうパンを毎日食べてよく勉強して優秀な成績をあげて下さい」と記されている。頭脳パンはレーズンが少し入った素朴な味で、ビタミンB1を多く含んだ「ずのう粉」で作られている。

全国10社で結成した「頭脳パン連盟」が開発してから本年で65年であり、現在「ずのう粉」を製造し続けているのは石川県の「金沢製粉」だけである。この記事では髙岡製パンの「ネギパン」も取り上げられている。

「ネギパン」は熊本産の青ネギをたっぷり練り込んだふわふわの生地に、かつお節と秘伝の甘辛ソースが挟まれている。誕生のきっかけは「ネギ嫌いの同級生にネギを食べさせたい」という高校生の願いで、先代の髙岡辰生さんが思いに応え、現在は息子の慎吾さん。地域の味や思い出を伝えるご当地パンの魅力を伝える構成である。