横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』（NHK総合）が放送中だ。貸本屋から江戸のメディア王へと成り上がる蔦屋重三郎（蔦重）を横浜流星が演じている。蔦重は自らを「主役は俺じゃねぇ」と語り、文も書けず絵も描けない立場ながら、作品を世に広める役割を担う人物として描かれている。

物語では喜多川歌麿（染谷将太）とのビジネスパートナー関係が軸となり、第41回「歌麿筆美人大首絵」までは良好な連携が続いていた。だが蔦重に子ができたことを契機に両者の関係に亀裂が入り、42回・43回を経て歌麿の様子は次第に変化する。

第44回「空飛ぶ源内」では歌麿が外見や声色、目つきまで変貌し、完全に闇落ちしたといえる展開が描かれる。劇中では歌麿が蔦重のこだわりの刷りを破く場面もあり、関係性の決定的な断絶が示される。橋本愛演じるおていさんや西村まさ彦演じる西村屋ら周辺人物の描写も物語の厚みを増している。記事はここまでの展開を史実や考察とともに振り返り、染谷将太の演技が内面の微妙な動きを表現している点を評価している。