映画『ミーツ・ザ・ワールド』が10月24日（金）より公開中である。本作は他者を知ることで自分を知り、違いを受け入れることで自分を受け入れていく物語である。

板垣李光人はNo.1ホストのアサヒ役を演じている。ホストクラブが未知の世界だったため、実際に伺い、そこで働いている方たちがどんな生活を送っているのかを聞きに行ったという。

みなさんが自分でメイクをしていたことを受け、板垣自身もアサヒのメイクを自分で行った。普段はメイクさんが仕上げてくれるが、今回は「アサヒになるために、必要なステップでした」と述べ、役作りに強いこだわりを見せた。

松居大悟監督は板垣について「安定性と落ち着きがありながら、周りを巻き込んでくれるあまり見ないタイプの役者」と評している。監督の評に表れるように、板垣は細部にまで宿るアサヒ像を自身の中で作り上げていった。

板垣はホストの明るさに惹かれ、その底抜けの明るさがその世界でサバイブするために必要だと考え、テンション感をアサヒに投影したと説明した。また、人との距離感を常に考え、由嘉里（役／杉咲花さん）にはあえて近すぎない距離を保つなど、関係性に応じて距離を変える意識を持って演じた。

ライ（役／南琴奈さん）やユキ（役／蒼井優さん）との距離感についても触れ、仕事として毎日多くの人と接するなかでどれが本当の自分かを模索する姿勢が見られる作品である。