RADWIMPSの新作『あにゅー』は、メジャー・デビュー20周年を迎えて新体制となったバンドの最新作である。中南米～アジア・ツアーも成功させた活動の延長線上に位置づけられる作品だ。

近年は劇伴作品が続き、オリジナル作としては4年ぶりのリリースとなる。前作はヒップホップ色を強めていたが、本作ではその流れを転換し、清々しいほどにロック・バンド然とした音像を打ち出している。

アルバム全体は「破格の一枚だ」と評されるほどの力強さがあり、編成や演奏の質感も明確に変化している。詞の解像度の高さも極まっており、センシティヴな純朴さと怒れる若者のアティテュードという両面が高い鮮明さで描かれている。

ツアー成功と新体制を背景に、劇伴中心の近年の活動と併せて多彩な表現を示す一作であり、オリジナル作品としての復帰と新たな音楽的姿勢を印象づける作品である。