映画『盤上の向日葵』の本編映像が公開された。柚月裕子の小説を実写化した本作は、10月31日(金)より全国公開される。

映像は、坂口健太郎が演じる若き天才棋士・上条桂介と、音尾琢真演じる父・上条庸一との激しい揉み合いを捉えた重要な場面を映し出す。桂介は父を追い詰め、怒号とともに肉体的な衝突に至る。

映像では「それでも親か！」というセリフと汗や涙が強く印象に残る迫真の演技が確認できる。本シーンは桂介の生き様と苦悩を象徴する場面として位置づけられている。

物語は、白骨遺体とともに発見された貴重な将棋の駒を手掛かりに、桂介の壮絶な過去と裏社会との関係を紐解いていく構成だ。幼少期の極貧や親の酒・ギャンブル依存といった背景が桂介の内面を規定する。

渡辺謙演じる東明重慶との接点や、小日向文世演じる唐沢光一朗、土屋太鳳演じる宮田奈津子らの存在が桂介の人生に光と影をもたらす描写も示される。監督・脚本は熊澤尚人。

坂口は当該シーンについて「桂介として泣けてくる部分もあるし、桂介を可哀想だと思う自分の感情も乗っかるし、どちらの苦しさもありました」と振り返っており、従来のイメージとは異なる新境地の演技が期待される。