アニメ映画『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が劇場アニメーション化され、2025年12月5日に公開されることが発表された。原作は武田一義の同名漫画で、全11巻＋外伝全4巻、そして第46回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した作品である。

主演の田丸均（たまるひとし）役を板垣李光人、相棒の吉敷佳助を中村倫也が演じることが明かされた。主題歌『奇跡のようなこと』は上白石萌音が担当する。制作側は、かわいらしい絵柄でありながら戦争の悲惨さを伝えることを主題に据えている。

物語は昭和19年(1944年)9月15日から始まるペリリュー島での激戦と、その後2年間終戦を知らず潜伏し続けた兵士たちの記録に基づくものである。南国の楽園が一瞬で地獄と化す様、飢えや伝染病、絶え間ない爆撃と銃撃の中での生存と友情が描かれる。田丸は漫画家志望の青年で、戦場で亡くなった仲間の「最期の勇姿」を手紙に書き遺族に届ける“功績係”という任務を担う人物である。

作品では弾薬や食料が尽きる過酷さや、最後まで生き残った兵士がわずか34人だったという史実も紹介されている。美しい南の島で繰り広げられる壮絶な戦火と友情の物語が、アニメーションとして新たな命を吹き込まれると紹介されている。