柚月裕子の同名小説を映画化したヒューマンミステリー『盤上の向日葵』が、坂口健太郎の新たな代表作となる可能性が指摘されている。

昨年は韓国ドラマに出演しアジアでの人気を拡大した坂口が、本作では将棋界に彗星のごとく現れた天才棋士・上条桂介を演じる。

物語は山中で発見された身元不明の白骨死体と、遺体とともに発見された「この世に7組しか現存しない希少で高価な将棋の駒」を手掛かりに展開し、桂介が容疑者として浮上するというミステリーである。

捜査の過程で浮かび上がるのは、賭け将棋で裏社会に生きた東明重慶（渡辺謙）ら、主人公の過去を知る人々との愛憎と裏切りの物語である。

映画は盤上で交差する人間ドラマを重視し、駒の打ち方や視線、表情といった細部から心情の変化を描き出す点が見どころとされる。

本作は第30回釜山国際映画祭オープンシネマ部門でワールドプレミアされ、約4,500席の屋外巨大スクリーンを埋めた実績もある。

共演には佐々木蔵之介、土屋太鳳、高杉真宙、音尾琢真、小日向文世らが名を連ね、豪華キャストによる演技合戦が強調されている。

韓国ドラマでの活動を経て国際的な関心が高まる中、繊細な心理描写とスリリングな展開が映画館の大スクリーンでこそ映える作品であると評されている。