石原さとみは「アンナチュラル」「リッチマン、プアウーマン」「失恋ショコラティエ」などで主演や助演として存在感を発揮してきた。近年は吉田恵輔監督が脚本も手掛けた映画「ミッシング」で、娘の失踪に苦しむ母親を演じ新たな演技の幅を示している。

中でも2016年の主演作「地味にスゴイ！校閲ガール・河野悦子」は高い人気を誇る作品だ。河野悦子はおしゃれ好きの28歳で、ファッション誌の編集者を目指して景凡社の中途採用試験を何度も受けていた経緯がある。

ところが配属先は念願のファッション編集部ではなく校閲部で、入社早々校閲部長・茸原渚音（岸谷五朗）に猛抗議する場面が描かれる。茸原から「仕事ぶりが認められれば希望の部署に移れるかもしれない」と告げられた悦子は、目標を叶えるため校閲に全力で取り組む決意を固める。

本作では毎話のファッションも注目され、悦子の底抜けのポジティブさと行動力が作品の魅力となっている。原稿の誤字脱字や内容の矛盾をただ訂正するだけでなく、作家の心にも踏み込みながら数々の疑問を解決していく描写が作品の特色である。

恋愛面では偶然出会った大学生・折原幸人（菅田将暉）に一目惚れする展開があり、悦子を「えっちゃん」と呼ぶ折原の人懐っこさや年下男子としての魅力も見どころの一つである。