那覇市が2015年に掲げた「性の多様性を尊重する都市・なは宣言」（レインボーなは宣言）から10年を迎え、11日に座談会が開かれた。当時の市長・城間幹子氏と当時の総務部長で前副市長の久場健護氏が宣言に込めた思いや経緯を語った。

司会はてぃーだあみの佐脇広平さんで、主催はてぃーだあみ、沖縄から結婚の平等にYES！実行委員会、Nu―jiChaである。城間氏は学校現場での経験から性的マイノリティーの存在を認識し、この件を人権問題として受け止めたため受け入れが早かったと述べた。

久場氏は宣言を当時の翁長雄志市長に説明した際に「本気か。いろいろな矢が飛んでくる。覚悟はあるのか」と言われたことを振り返り、職員や女性センターの支えがあったと語った。久場氏はまた、男女共同参画行政を担った市国際交流・男女参画課の上原徳一郎課長と稲福由乃主幹の推しがあったと述べている。

庁内には多様性やLGBTに関する理解が乏しい部局もあり、トップだけで進めるのではなく、職員対象や管理職の研修を行ってから宣言に踏み切ったことが紹介された。城間氏は宣言時に「満を持して」と述べ、7月19日のピンクドットでピンクのかりゆしウエアを着て宣言したと語った。会ではマスコミや市民の反応、当事者の声を積み重ねてきた経緯と、今後も慎重に取り組む必要性が共有された。