連続テレビ小説「あんぱん」の特別編第4弾「受け継ぐもの」が2日、総合で放送され、まるで最終回のような締めくくりであった。

主演は古川琴音演じる中尾星子で、今田美桜が演じる柳井のぶが星子に嵩（北村匠海）のこれからを託す重要な場面が描かれている。

物語は平成元（1989）年春に移り、星子は嵩の事務所で経理事務を担当しながらも嵩と接することに緊張を抱えている設定である。

のぶは自らの余命があと3カ月であることを明かし、自分がいなくなった後の嵩を支えてほしいと星子に頼む場面が中心となる。

星子は嵩が最初に描いたアンパンマンの絵を見て涙を流し、幼少期に満足に食べられず孤独だった過去や、絵本を読んだときの強い感動を語る。

初めて「あんぱんまん」の絵本を読んだとき、涙が止まらず、「こんなヒーローがいてくれたら」と感じたという星子は、「アンパンマンは私に魔法をかけてくれたんです」と告白する場面がある。

その直後、絵が動き出し、目の前に若返ったのぶと嵩が現れる幻想的なシーンが描かれる。

星子が「私に魔法でもかけましたか？」と尋ねると、のぶは「何言ってるの？」と驚き、嵩は「ソースはかけたけど、魔法はかけてないな」と冗談を返す場面もある。

最後は3人で小夏を食べる穏やかな場面で締めくくられ、視聴者に強い余韻を残す構成である。

連続テレビ小説第112作として、漫画家で絵本作家、詩人のやなせたかしさんと妻の小松暢さんをモデルにした本作の背景もあらためて示され、多くの反響を呼んでいる。