NHK連続テレビ小説「あんぱん」特別編第2弾「メイコの初舞台」が30日、総合で放送された。女優の今田美桜がヒロイン・柳井のぶを演じる本作のスピンオフで、ヒロインはのぶの妹・メイコ（原菜乃華）である。

スピンオフは本編第125回（19日放送）で描かれたミュージカル「怪傑アンパンマン」の初日、その舞台裏のドタバタから、メイコがコーラス隊の一員としてステージに立つまでの過程を描いた。舞台は昭和51（1976）年7月の初日公演で、現場の緊迫感が中心に描写される。

アンパンマン役の浜辺ヒラメ（浜野謙太）が顔の違和感を理由に出演をためらい、役者の古川マモル（西山潤）も出演を迷うなど不安が重なる。さらにコーラスのメンバーが発熱で入院する事態が発生し、代役の手配が間に合うかが問題となった。

夫の健太郎は高橋文哉が演じ、いせたくや（大森元貴）が説得に当たるなど、多くの出演者とスタッフが舞台成立に向けて奔走する。メイコは「任せてください」と事態収拾に立ち上がり、深呼吸して「あなたの緊張を私が吸い取ってあげる」と励ます場面で周囲を動かす。

その結果、出演者たちは覚悟を決め、本番に臨む姿勢を固めていく描写で物語は進行する。作品全体はやなせたかしと小松暢をモデルに、夢を追う日常と舞台裏の葛藤を描き、視聴者の共感や涙を誘った。