奄美大島酒造（奄美市名瀬）の奄美黒糖焼酎「浜千鳥乃詩ゴールド」が、フランスで開催された酒類品評会「ＫｕｒａＭａｓｔｅｒ（クラマスター）２０２５」の本格焼酎・泡盛コンクールで最高賞のプレジデント賞に選ばれた。授賞式はパリの在仏日本国大使公邸で２４日に行われ、同社の水間貴浩取締役が受賞を報告した。

同酒は黒糖焼酎としては初の快挙であり、オーク樽由来の甘くて香ばしい香りが特徴と説明されている。１０年物の古酒をブレンドして深みと甘味を引き出し、昨年７月にデザインを一新して透明ボトルで琥珀（こはく）の酒色を映える仕様に改めた点も評価につながった。

審査会では１６２銘柄が出品され、優秀賞１７点から各部門の審査員賞が選ばれ、さらにその中から１点がプレジデント賞に選定された。クリストフ・ダヴォワンヌ審査委員長は香りの豊かさや調和、なめらかな舌触りを高く評価し、「受賞は豊かな奄美の自然と文化、蒸留所の技術をたたえるもの。さらなる卓越性の追求と豊かな伝統を世界に伝える励みになることを願う」と述べた。

同コンテストでは喜界島酒造（喜界町）の「キャプテンキッド」が優秀賞、朝日酒造（同）の「よんよーり【クリハー】」も部門賞を獲得したと報じられている。奄美の蒸留所は今回の受賞を海外展開の追い風と位置付け、黒糖焼酎の魅力発信に期待を寄せている。