『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が海外で大ヒットを記録している背景を分析する記事である。北米では公開初週だけで興行収入100億円を突破し、全世界累計では総興行収入680億という数字に達したと伝えられている。

配給面では、アメリカでの配給を担当したソニー傘下の配信サービスCrunchyroll（クランチロール）がシリーズ初期から北米のファンダムを育ててきたこと、今回は3,315館という大規模上映を確保したことが大きな追い風になったとされる。

また、配信プラットフォームの普及により日本アニメへの潜在需要が拡大していたことも指摘される。だが興行的成功の根底にあるのは作品そのものの力であり、映像化の質が決定的な役割を果たしている。

制作のufotableは原作の「無限城編」を三部作構成とし、第一章に155分を費やすなど徹底的な“肉付け”を行った。これにより各戦闘シーンの密度が増し、剣技や血鬼術、躍動感あふれるアクションが劇場での鑑賞価値を高めている。

たとえば水柱・冨岡義勇と上弦の参・猗窩座による高速での戦闘描写など、派手なエフェクトと精緻なアニメーションが海外の観客にも強く響いたことが、興行的成功の主要因として挙げられている。