今年5月に第二子出産を発表した石原さとみは、出産後に活動をセーブしているものの、映画「ミッシング」(2024年)で母となった今だからこそ向き合えた役を演じている。

本作は吉田恵輔監督が脚本も兼ねるヒューマンドラマで、愛する娘が失踪した家族が出口のない暗闇の中で光を探す姿を描く作品である。石原は失踪した幼い娘を必死に探し続ける母・沙織里を演じ、夫婦間の温度差やマスコミの報道、SNSでの誹謗中傷により次第に心を擦り減らしていく過程を体当たりで表現している。

出演を直談判したという石原は、肌荒れや身体の緩さだけでなく、髪の毛を傷ませるためにボディソープで洗うなど細部に至るまで徹底した役作りを行った。これまでのイメージを一新する難役に挑み、焦燥感や怒り、疲弊していく様をリアリティをもって体現している。

近年は主演ドラマ「アンナチュラル」(2018年)や映画「ラストマイル」(2024年)、MCを務める生活科学情報エンタメ番組「あしたが変わるトリセツショー」(2022年〜)など多彩な活動を続け、20年以上のキャリアの中で変化と進化を見せている。

また、石原の出発点であるデビュー作「わたしのグランパ」(2003年)も同じく9月20日(土)にＷＯＷＯＷシネマで放送される。原作は筒井康隆の同名小説で第51回読売文学賞受賞作、菅原文太が主演し石原はヒロインの珠子を務めた。