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40代以上限定|クリスマスウォーク 実施レポート

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大人の冬時間を歩く一日

11月30日の日曜日、「40代以上限定|クリスマスウォーク 〜いちょう並木から六本木の灯りまで、東京の冬を歩く〜」を開催しました。

クリスマス本番にはまだ少し早く、いちょう並木はギリギリ名残りのタイミング。暑さは去り、厳しい寒さが来る直前の、ちょうど良い“隙間”の季節に、一年を静かに振り返りながら、喧騒も静けさもまとめて受け止めて街を歩く——そんな時間になればと思い、企画した散歩会でした。

顔なじみの方も多く参加してくださり、慣れている方が初参加の方をさりげなくつないでくださったおかげで、千駄ヶ谷駅前の集合から、和やかでリラックスした空気でスタートしました。

千駄ヶ谷から外苑前へ:デザインと記憶を辿る前半戦

最初に訪れたのは、千駄ヶ谷スタート時には毎回立ち寄っている将棋会館のショップ「棋の音」。
ここでは、将棋をテーマに開発された多様な商品を眺めながら、マーケティングやデザイン戦略のアウトプットの幅広さを楽しみました。

その後は、千駄ヶ谷と桜木町にしかない「モスプレミアム」や、都内でも珍しいエジプト料理レストラン「Arabian Restaurant & Cafe Bar Oasis」など、個性的なお店を紹介しつつ、東京体育館と国立競技場の間を抜けて進みます。道中では、それぞれの街の記憶や思い出を自然に交わし合いながら歩きました。

青山門付近では、東京1964と2020、二つのオリンピックで使われた新旧の聖火台を見学。
表現の違いから、時代ごとのニーズや国家ブランディングの方向性の違いが垣間見え、その時代の空気感やデザインが持つ可能性に思いを馳せました。

聖徳記念絵画館といちょう並木:景観がつくる「物語」

続いて、現在は工事中の「聖徳記念絵画館」を遠目に眺めつつ、外苑の東京クリスマスマーケット2025を外側から見学しました。

聖徳記念絵画館は、いちょう並木の正面に位置し、その景観を守るために、遠近法を計算していちょうの高さが整えられ、周辺建築物にも高さ制限がかけられている建物です。そこまでして守られた景観の先に何が収められているのかを想像すると、歴史はただ「そこにある」だけではなく、伝えられ、シンボリックに封じ込められることで、固定化され、私たちの共通認識へと変わっていくのだと感じさせられます。

そして、いよいよ青山いちょう並木へ。
遠くから徐々に見えてくるまぶしい黄色、人々の高揚したざわめき。それまでの穏やかな静けさから一転して、“イベント感”のある空気へと一気に切り替わります。

ここでははぐれ防止のため、一度自由行動とし、いちょう並木の先のファミリーマート前で再集合という形を取りました。
主催は一足先に集合場所へ向かいながら、写真を撮る人、動画を回す人、ただ並木を眺めて思いにふける人——多様な年代・多国籍の人々が、それぞれのやり方でこの風景を受け止めている様子が、とても印象的でした。

ITOCHU SDGs STUDIO「なんで展」と、喧騒からの離脱

再集合のあとは、すぐそばの ITOCHU SDGs STUDIO へ移動し、「なんで展」を体験しました。
ここは、伊藤忠商事の企業ブランディングも兼ねた、SDGs関連の無料展示スペースで、「星の商人」という分厚い冊子が無料配布されているのも特徴的な場所です。

会場への往復では、いちょう並木を横切るたびに、遠近法で切り揃えられた並木の先に見える聖徳記念絵画館を改めて感じることができ、街のつくる「視線の導線」も体感できました。

その後、喧騒を離れて赤坂御用地の広大な敷地を横目に見ながら乃木坂方面へ。
港区立青葉公園を過ぎ、青山墓地向かいの隠れ家的スポット「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」に立ち寄ります。植物のプロ集団・SOLSO の手がける、既成概念にとらわれない植栽が広がる空間で、休憩を兼ねた自由行動に。緑に包まれながらホッと一息つく時間になりました。

乃木坂〜東京ミッドタウン:夜の灯りの中へ

休憩後は、レトロな雰囲気のセキュリティに守られた衆議院青山議員宿舎を横目に、乃木坂駅横の独特な空気感の歩道を進みます。
YUMI KATSURA ウェディングプロデュース カリヨンTOKYO の特徴的な建物を眺めつつ、高低差が心地よい乃木公園で小休止。ここからは「飲酒OK」とし、向かいのコンビニで缶チューハイを調達して、少し肩の力を抜きます。

辺りはすっかり暗くなり、参加者同士もだいぶ打ち解けてきたタイミングで、いよいよ東京ミッドタウンのイルミネーションエリアへ。
はぐれ防止の待ち合わせ場所を決め、周囲に気を配りながら、「光の散歩道」を進みます。白い光の強弱でつくる演出を抜けた先には、色とりどりの光に包まれた「エモーション パレット ツリー」。さらに奥へ進むと、光と音楽、霧、シャボン玉の演出がまるでテーマパークのような「クリスマス ガーデン ライツ」が広がり、しばしその世界観に浸りました。

スケートリンクを横目に見つつ、東京ミッドタウンのクリスマスマーケットをのぞいて屋外へ。
ここで一度立ち止まり、それぞれの感想をシェアしながら、中締めとしました。

六本木ヒルズとけやき坂、そしてそれぞれの帰路へ

中締め後は、六本木ヒルズへ移動し、イルミネーションとクリスマスマーケットを見学。
そこから、「喧騒を抜ける秘密の通路」のような道を通り抜けて地上に出ると、目の前にはけやき坂のイルミネーションが広がります。

すでに中締めをしていたこともあり、ここでは静かに解散。
一時的に集まり、経験を共有した時間を胸に、それぞれの日常へと戻っていきました。

主催はその後も少しだけ余韻を引き延ばし、麻布十番商店街を缶チューハイ片手に歩きながら、ひとりのクロージングタイムを楽しみました。

おわりに

人混みや賑わいを横切りつつ、長めの距離を歩く散歩会となりましたが、風景・光・会話・それぞれの内省がゆるやかに混ざり合う、とても充実した時間になりました。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。