1
35
2026年3月7日(土)の午後、初めて利用する「地域交流センター代々木」にて、「断捨離企画|いらないもの持ち寄り交換会」を開催しました。最終的には女性4名にご参加いただき、結果として非常に満足度の高い、印象深い回になりました。今回は、その経緯から当日の流れまでを時系列で記録しておきます。
シブミナでは「SCC千駄ヶ谷コミュニティセンター」をとても良い施設だと感じていましたが、活動の幅を広げるためにも、もうひとつ使える会場を持っておきたいと考えていました。そこで候補として意識していたのが、やや渋い雰囲気の「地域交流センター代々木」でした(※「地域交流センター代々木の杜」とは別施設です)。
そんな中、おいかわさんの企画に参加した際に断捨離の話題になり、「手放すものにエピソードを添えて送り出しつつ、他の人の不要品を持ち帰れる交換会があったら面白いのでは」という話になりました。主催の方も交えてその場で盛り上がり、「それなら代々木でやってみよう」と思えたことが、今回の企画の出発点でした。
ただ、この企画は既存の定番イベントとは違い、参加者にとってイメージしづらかったのか、なかなか参加希望者が増えませんでした。以前、Ginza Sony Parkで予定していた「本のプレゼン&交換読書会」が流れてしまった時と同じ流れをたどるのではないかと、不安な日々が続きました。
そんな中で転機になったのが、40代以上向けの食事会や飲み会を多く企画されている羅夢さんからのお気に入り通知でした。最初は押し間違いかと思うほど意外でしたが、本当に参加表明をしてくださり、大きなサプライズになりました。その後も参加者が増え、無事に開催できるところまで持っていくことができました。
連日予定が立て込んでいたこともあり、準備が整ったのは前日夜でした。「あからさまなゴミは出せないが、エピソードを添えて手放せるものは何か」と家の中を見回してみると、意外にいろいろ出てきました。深夜2時半頃にごそごそと選び出したのは、以下のような品々です。
・ 職場で窓を開けた時に入ってくる蜂対策として買った粘着シート
・ サークル主催を始めてから買ったKANGOLのバゲットハット
・ 東日本大震災の際に購入したロシア製の放射能測定器
・ 盗聴器発見器として買った広帯域受信機
・ ホリエモン騒動の頃に買った人生ゲームM&A
・ オセロ
・ 想像以上に騒音が大きかった電動空気入れ
・ 絵本雑誌『MOE』の付録付きバックナンバー
・ アナログ移行に失敗して使わなかった水彩色鉛筆、顔彩、マーカーなどの画材
さらに、参加者が持ち帰るための紙袋などもまとめた結果、荷物はかなりの重量になりました。少量に絞るべきだったかとも思いましたが、せっかく来てくださる方に少しでも話題や楽しみの種を持っていきたいと思い、重い荷物を抱えて会場へ向かいました。
無事に会場へ到着して荷物を置き、初めて使う施設でのイベントへの期待が高まりました。施設は程よく年季が入っていて、千駄ヶ谷のコミュニティセンターとは違う昭和的な雰囲気がありますが、それがかえって味わいになっていました。
施設利用で意外と重要なのがテーブル配置です。今回は少人数だったため、長机を一人一台使えるように6台並べて、十分なスペースを確保しました。そこにウェルカムお菓子も置き、準備は完了です。
このイベントは遅刻・早退OKとしており、13時過ぎから17時過ぎまでの長めの時間設定でした。拘束感を出さず、かつ盛り上がりのピークを逃さないようにどう運営するかを考えながら、静かに参加者を待つ時間が始まりました。
最初に到着したのは羅夢さんでした。到着した瞬間に場の空気が変わり、自然に言葉が流れ始めたのが印象的でした。個人的にきちんとお話ししたい事情もあったため、落ち着いた環境の中でゆっくり話せたことも、とても良い時間になりました。
その後、少しずつ参加者が増え、場の空気も重なり合うように変化していきました。
最後の参加者の到着が遅れそうだったため、そろそろ始めようということで、断捨離エピソード会をスタートしました。ルールは、持参品を一度に全部並べるのではなく、ひとつずつエピソードを語りながら取り出し、その都度場に置いていくというものです。
実際にやってみると、最初に物を置くか、語りながら置くかで、物の見え方や意味合いが変わるのが面白く、それ自体がひとつのエンターテインメントとして成立しているように感じられました。また、「ここに置かれたものは誰が持ち帰ってもよい」という感覚が共有された時、この企画はかなりイメージ通りに進んでいると思えました。
さらに、持ち寄られる物も語られる話も毎回変わるため、持ち帰られなかった品の繰り越しも含めて、何度開催しても内容が変化する、継続性のあるフォーマットだと感じられました。
参加者それぞれの言葉と品物が積み重なっていく中で、特に印象的だったのが、小さなアクリルのツボ押し器具をめぐる場面でした。その品にまつわる友人とのエピソードをきっかけに、立ったままで熱心な意見交換が始まり、明らかに場面が切り替わった感覚がありました。
これは一度落ち着いて話したほうがよいと判断し、全員で席に着いて、そのテーマについてじっくり話す流れに移りました。その時間は、まるでドキュメンタリー番組のワンシーンのように感じられ、何気ない断捨離品の向こう側に、こんなにも深い物語や世界観が広がるのかと、この企画の奥行きを実感する瞬間になりました。なお、そのツボ押し器具は最終的には場に置かれず、その後どうなったのか少し気になるところでもあります。
最後の参加者がまだ到着していない状況ではありましたが、場の流れを見ながら、休憩を挟みつつ回収タイムを少し後ろにずらし、簡単なレクリエーションを入れることにしました。
ちょうど前夜、知人のAI勉強会で「AIを活用したイベント運営事例」という発表をしており、その時のスライドが手元にありました。せっかくなので、実際にイベントで使っているツールを参加者に手に取ってもらいながら、簡単に説明を始めたところで、最後の参加者が到着しました。
全員が揃ったことで、場の空気はいったん落ち着きました。一方で、最後に来られた方はつなげーと自体が初めてだったようで、「バザーのような交換会だと思って来たら、なぜかセミナーのような発表が行われている」という、なかなか不思議な空気に少し戸惑っている様子でもありました。
そこで軽く談話し、アイスブレイクを挟みながら、いったん発表を継続しました。結果的には、この想定外の混ざり方も含めて、この日の独特な魅力のひとつになっていたように思います。
発表が終わる頃には、時間もちょうどよい頃合いになっていました。そこで、遅れて到着した参加者の持参品のエピソードを興味深く聞いたあと、そろそろ帰る方もいるため、全員で回収タイムに入りました。
ここまで圧縮されていた空気が一気に解放されるように、場は活気づき、まるでバーゲンセールのような盛り上がりを見せました。イベントとして非常にわかりやすい山場が生まれ、構成としても理想的な展開になったと感じています。
行きに重くて困っていた『MOE』もすべて引き取られました。さらに、遅れて参加された方がアートスクールに通い始めたばかりで、絵本にも強い関心があるとのことだったため、持ち込んだ画材もその方を含め複数の参加者に引き取っていただけました。
結果として、自分が持ち込んだものの多くが手離れし、必要としてくれる人の元へ送り出せたことに大きな安心感がありました。
イベントの最後には、持ち帰られなかったキャリーオーバー品をまとめ、次回へ繰り越すことにしました。残ってくださった方と一緒に後片付けをして帰る道のりは、行きとは対照的にとても軽やかで、心地よいものになりました。
今回の開催を通じて、この企画は一回限りではなく、続けていくことでさらに面白くなる形式だと実感できました。また次回も開催したいと思える、良いイベントになりました。
今回のキャリーオーバー品は、プチコラボ企画として、4月11日に開催される羅夢さんの企画へ持ち込む予定です。今回の回で生まれた流れが、そのまま次回へつながっていくのも、この企画の魅力のひとつだと感じています。
今回の少し不思議で実験的な企画にご参加くださった皆さま、そして思いがけないサプライズと場の広がりを与えてくださった羅夢さんに、この場を借りてあらためて心より感謝申し上げます。