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楽しい哲学散歩会 @麻布十番 実施レポート

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梅雨前のプレイベントからスタートし、雨や猛暑を避けながら季節のリズムに寄り添ってきたシブミナ。ようやく訪れた秋晴れのタイミング、そして冬の足音が近づく11月2日(日)。ついに、傘を気にしなくてよい散歩日和の開催となりました。

今回のテーマは「ゆる哲学散歩」。
哲学、と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、ふと頭に浮かぶ “日常に潜む問い” こそが哲学の入口です。

・ 距離や大きさって、自分との比較でしかないのでは?
・ 色や感覚は100%同じとは限らない…他人の世界ってどう見えてるんだろう?
・ 指一本動かすかどうかで世界は変化して、そこから歴史が生まれる

幼い頃からこうした感覚的な問いを自然と楽しんでいましたが、日常ではなかなか話題にしづらいもの。
ならば、安心して深くも軽くも話せる散歩会があったらどうだろう――そんな思いが今回の企画のきっかけでした。

つなげーとは“楽しく遊ぶ”を大切にするコミュニティ。
哲学ガチ勢も、ちょっと興味がある方も、気軽に楽しめる中間地点として「楽しいゆる哲学散歩会」と位置付けました。

緩やかに、自然と噛み合う対話の流れ

最終的な参加者は11名。
人数が揃うと、場の設計や進行に少し揺れる気持ちもありました。「深く話したい人」と「気楽に参加したい人」、どちらも満たしたい。そう思って歩き出したところ、実際には驚くほど自然に場が整っていきました。

互いのペースを尊重し、話したい人は語り、聴きたい人は耳を傾ける。偶然の組み合わせで生まれる対話と、移り変わる景色が柔らかく流れを作り、心地よい時間が積み重なっていきました。

コースとハイライト

六本木スタート:街の喧騒と自己紹介

アマンド前で集合し、六本木交差点の騒音の中で自己紹介。
それぞれの哲学的背景や興味が共有され、早くも深い空気が生まれます。

ドンキ前“水族館”と身体感覚の切り替え

道中、ドンキ前の水槽を“街の水族館”として鑑賞。
11名での滞留が少し目立ち、店員さんに軽く注意される場面もありましたが、そこから意識を切り替え、集団全体を街や通行の流れの一部として身体感覚を馴染ませていきました。

六本木の裏とお嬢様校の対比

ハードロックカフェ、名物ケジャンの巨牛荘を横切りつつ、六本木の“舞台裏”へ。
その先には、『美少女戦士セーラームーン』でセーラーマーズが通っていた設定として知られるT.A.女学院のモデル校(東洋英和女学院)。

賑わいと静けさ、現実とフィクション。その対比にふっと心が揺れます。

TSUTAYAでの自由時間と小さな対話

けやき坂下のTSUTAYAで小休止。
歩く・止まる、その緩やかな切り替えが、会話の深さにゆっくりと光を当てていきます。

麻布十番:折り返しと交差が生む“街の広がり”

六本木側から麻布十番へ。まずは豆源へ寄り、“およげ!たいやきくん”の浪花家総本店を横目に進み、地下鉄入口付近でV字に折り返し。

パティオ十番でひと息つき、韓国大使館方面へ。
これまで歩いた道と交差しつつ、季節感あふれるEL JEWELのショーウィンドウを眺め、別ルートから再度来た道へ戻る――街の層をなぞるような散策でした。

世界一小さなコンサートホールでの偶然

そろそろ締めの時間。網代公園近くで、偶然ピアノの生演奏に遭遇。
“世界一小さなコンサートホール”を掲げる麻布十番偶然劇場での演奏。空いていた席にゆったり腰を下ろし、偶然に導かれるように音の波に身を委ねました。

強く、やさしく響く音色。重なり合った出来事が胸にふわりと灯る瞬間でした。

クローズドトークで締めくくり

最後は公園奥の小さな窪地でクローズドトーク。
静かに始まり、静かに終わる。時間通りに解散し、余韻と共に日常へ戻っていきました。

さいごに

今回の散歩は、「話す」「歩く」「感じる」がなめらかに混ざり合う時間となりました。
哲学は難しいものではなく、日々の感覚や問いの中にいつもあるもの。誰かと共に歩くことで、それがより鮮明に、優しく立ち上がってきます。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
また季節を変えながら、ゆるく本質的な散歩をご一緒できたら嬉しいです。

次回も、楽しみにお待ちしています。