NHKの『18祭』は毎年一組のアーティストと18歳世代（17〜20歳）約1000人が共演し、1回限りのステージを制作する番組である。今年はVaundyが出演し、「呼び声」をはじめとする新曲を18歳世代と共に披露した。過去にはYOASOBI、BUMP OF CHICKEN、あいみょんらが同番組で楽曲を生み出し、一回性の熱量あるパフォーマンスを残している。

こういう「その場でしか生まれない化学反応」は、ただ視聴するだけでも胸が熱くなるが、推し活や趣味の楽しみ方を広げるチャンスでもある。番組で生まれた楽曲や18歳世代の歌声を素材にして、自分たちだけの「一回限りの企画」を作ってみると良い。例えば、放送をきっかけにカフェやオンラインで聴き会を開き、曲ごとの感想や歌詞の解釈を持ち寄るだけで、作品の受け止め方が深まる。こういう熱量って、結局“語れる相手”がいると一気に加速する。さらに、友だち同士でワンナイトの再現ライブやカバー大会を企画すれば、曲への愛が体験として残るし、次の推し活の動機にもなる。今週末に同じテンションの人と会える場があるだけで、推し活は現実に根づく。初めて外に出す一歩が怖ければ、一人参加歓迎の集まりを探してみるのも手だ。小さなイベントを重ねて仲間が増えれば、その先で自主企画を立てることもできる。『18祭』のような一発勝負の熱を、語れる仲間と会う体験に変えていくと、推しも趣味ももっと長く、濃く楽しめるはずである。