津南醸造株式会社が、株式会社FARM8の植物性ヨーグルト「JOGURT」プロジェクトに本格参画したと発表した。酒粕のアップサイクルを中核に据え、酒蔵の品質基準で仕込む「酒蔵ヨーグルト」づくりを進めるという。

JOGURTは原料に津南醸造の酒粕を使用し、酒粕以外の素材は用いず乳製品不使用で仕上げる点が特徴である。雪国うまれの乳酸菌（ウオヌマ株）で再発酵させ、柔らかな酸味でヨーグルト調の味わいを実現している。

無糖ヨーグルトと同様にスムージーやグラノーラなどのレシピで楽しめる設計とされている。津南醸造は搾りたて酒粕の密封・保冷・トレーサビリティなど品質保全の標準化を担い、供給体制の整備を進めるとしている。

今回の取り組みは、酒づくりの副産物を“余剰”ではなく“資源”として循環させる狙いがあると説明される。津南醸造代表取締役 鈴木健吾（医学博士／農学博士）は、地域で発見された乳酸菌の特性を生かし、安全・再現性のあるおいしさを設計するために研究視点で取り組むとコメントしている。

同社は風味づくりや容量展開、食べ方提案の同梱など商品設計にも注力し、新たな市場への実装を加速する方針である。おいしさ・続けやすさ・資源循環の三拍子を目指す動きとして注目される。