サントリーが展開する体験型コンテンツ「グラスとコトバ」が、銀座・並木通りでリニューアルオープンしたPRONTO THE FIRSTで提供を開始した。ドリンクメニューの代わりに客は今の気持ちに合うカードを選び、そのカードに対応する「カクテル言葉」を手がかりにバーテンダーが一杯を提案する仕組みである。

花言葉のようにカクテルに意味を付与することで、ウイスキーやジンなどの知識がなくても五感で楽しめる体験を提供する。銀座という高級クラブが並ぶエリアでの導入は、バーの敷居の高さを覆し、より多くの人が入店しやすくなることを目指している。

コロナ禍以降、外食産業は回復しつつある一方で酒類消費は減少傾向にあり、サントリーはこうした体験型マーケティングを通じてお酒の世界に距離を置いていた層の新たなファン獲得を狙うとしている。試みは広がりを見せ、他店舗ではコースターに気持ちを書いて注文する取り組みもあるという。

EDEN CELLARマスターの吉田宏樹は、普段バーに入れない人が来やすい環境づくりに共感すると述べている。サントリー宣伝部・菊池友里課長は、バーやカクテルは説明やネット情報だけでは伝わらず、五感や感動によって心が動くと語り、今後も若い世代がバー文化に触れる機会をイベント等でつくっていきたいとしている。