川崎大師の門前に店を構える老舗漬物店「宮城屋」が11月、機能性食品素材を使った「奈良漬入りどらやき」を発売した。宮城屋は大正5年に創業し、来年で110周年を迎える老舗である。

同店は3代目の田代喜治、妻の真純、二女の悠喜の3人で経営している。若年層の漬物離れを受け、ただ漬物を売るだけでなく菓子に組み合わせて販売する取り組みを進めたという。

川崎市などの知的財産交流事業をきっかけに、医療機器製造・販売のアークレイ社が保有する「クリプトベータ」を用いた「ベータどらやき」や、砂糖メーカーのウェルネオシュガー社の「CI－Dextran mix」を活用した「オリゴどらやき」など複数の商品が開発された。クリプトベータは温州みかんの搾汁残渣を利用した粉末で、体脂肪低減やシミ改善効果が期待される素材である。

また、CI－Dextran mixを使った商品は口当たりの優しいチーズ風味に仕上がっているとされる。奈良漬だけを使った「プレーンどら焼き」もラインナップに含め、11月中旬に販売を開始した。価格は単品350円（税込み）、3個食べ比べセットが1千円（税込み）で提供されている。

同店はこれらの商品を通して若い世代に漬物の魅力を伝えるきっかけにしたいとしている。