南魚沼市六日町の今成漬物店は創業から100年以上を経て、伝統の味を守りつつ新たな魅力発信に取り組んでいる。

取材では4代目の今成要子さん(54)と母・正子さん(77)が二人三脚で蔵を守る姿が紹介されている。

代表的な商品『山家漬(やまがづけ)』は錦糸瓜・越瓜・ナス・キュウリ・ワラビの5種類で、地元産の食材を使い、八海山の酒粕で甘口に仕上げるのが特徴である。

蔵はもともとコメや日本酒の保管に使われ、300年以上の歴史がある場所である。

製法は収穫後1〜2カ月の塩漬けを行い、夏から秋にかけて酒粕と砂糖で漬け込み塩分を抜き、冬にさらに塩分を抜いて中漬けから本漬けへと移行する手間のかかる工程である。

漬けかえを3回ほど行うことで味に深みが出るとされ、完成まで基本的に1年を要する。

今成要子さんは「遠くから来ていただくことも多いし、漬物の話を聞いて興味を持って来てくださる新しいお客さんもたくさんいる。」と述べ、同時に「熟成が大事なことだと感じているので、熟成期間を早めようとか手間を省こうとかは全く考えず、同じやり方でおいしく仕上がってほしいといつも感じている」と語っている。

そうした伝統と手間を踏まえ、4代目は創業以来100年ぶりの新商品「スイーツ」を打ち出し、漬物の魅力を幅広い層に伝える試みを進めている。

同店の商品は契約する地元農家から厳選した素材を仕入れ、地域の風土に根差した味わいを守り続けている。