深大寺のそばにある小さな焼き菓子店「ル・カナール」は、本場ボルドーのカヌレをベースにバラエティ豊かなカヌレを提供する専門店である。店主は中谷優子で、フランスのボルドーに語学留学した際に街の老舗の金物店からもらったレシピとカヌレ型を使用し、日本人好みの味と食感を追求している。

17年前に福生市で予約制のカヌレ専門店をはじめ、2012年に久我山に移転オープン、2015年にこの地に移って早10年となる。地元の利用者に加え、ネット販売を通じて北は北海道から南は沖縄まで注文が届く人気ぶりである。

外側はカリッと中はしっとりという食感にこだわり、提供するサイズは本場ボルドーに倣った下から2番目の大きさである。一番小さなものは、ティーカップ皿に置くくらいのサイズだという。

「カヌレの皮の厚さは、小さく焼いても大きく焼いてもあまり変わらず、中のしっとりとした部分の量が変わります。私は、皮と中身が同じくらいの割合がおいしいと思って」 と中谷は語る。

これまでに生み出したカヌレは30種類以上に及び、深大寺のそば粉を使った「蕎麦」（190円）のほか、黒コショウをきかせた白いカヌレ「フロマージュ」や胡麻風味の「セザム」など多彩なラインナップが並ぶ。

ボルドーではカヌレが16世紀から作られており、同店では赤ワインと合わせる楽しみも提案している。営業は週1〜2日だけのため、訪問や購入の際は事前に営業日を確認するとよい。