アウト・オブ・ザ・ブルーは、パリ11区のサン・モール通りにひっそりと佇むワインバー兼映画館である。アトリエ・デ・リュミエールとペール・ラシェーズの間という立地で、サロン風のカーペットや鏡張りの天井、カウンターを置かない独特の空間が特徴である。

木曜日から土曜日の17時から22時には、リンチ、ヘルツォークら巨匠の短編映画を無料で連続上映しており、予約は不要である。上映の合間にはナチュラルワインを楽しめ、白または赤は6ユーロ、スパークリングやペパンが手掛けたブレンド「ブルーージュ」は8ユーロで提供される。

ノンアルコール派にはスパークリンググレープジュース（無添加）6ユーロやホット／アイスのルイボスティーが用意されている。軽食はチーズ専門店「ソース」のチーズと、塩味または甘味のポップコーンが提供され、気軽に手に取りながら映画を楽しめる構成である。

日曜日は月に一度家族向けモードに切り替わり、16時から18時に子供向け上映が行われるほか、毎週日曜夜には予約制のシネマクラブで厳選された長編が上映される。上階でワインを楽しみ、下階の約10席の上映室で映像を観るという二層構造により、洗練されつつ親しみやすいプログラムが展開されている。プログラムの詳細は同店のInstagramアカウントで案内されており、映画とワインを融合させた独創的な夜が提供されている。企画者のクロエは映画監督でもあり、その名前はデニス・ホッパーのカルト映画（1980年）に着想を得ていると説明されている。