片口屋（射水市）は富山県食品研究所と協力し、鰤味噌（ぶりみそ）や鰤魚醤（ぶりぎょしょう）を使った「発酵ブリバーニャカウダ」を開発した。和の発酵調味を洋のソースに応用する試みである。

バーニャカウダはイタリア料理のソースを富山版にアレンジしたもので、現地で用いるアンチョビの代わりにブリを活用する点が特徴である。鰤味噌は春先から夏に獲れる脂の少ないブリを米糀（こめこうじ）と発酵させて作った。

仕立ては鰤味噌にオリーブオイルや県産のニンニク、片口屋の鰤魚醤を加えたもので、うま味とコクを洋風に仕上げている。パスタは県産卵や昆布だしのベースに、富山市産の長ネギとグリルした県産ブリを合わせ、バーニャカウダを添えた。

同メニューの提供は富山市の県民会館1階「D＆DEPARTMENT TOYAMA」で25日から始まり、パスタは1480円で12月7日までの提供となる。バーニャカウダ単品は980円で「D＆DEPARTMENT TOYAMA」と片口屋で販売される。

嶋林正紘料理長は「バーニャカウダが主張しすぎない良い香りで風味豊かに仕上がった」と述べ、片口敏昭社長は「バーニャカウダになじみのない人にも楽しんでもらえたらうれしい」と語った。地域資源を活かした和洋融合の新作として期間限定で提供される。