県紀南地域活性化局が主催する「東紀州にぎやかプロジェクト」のフィールドワークが11月23日に熊野市、24日に尾鷲市で行われ、両日とも約20人が参加した。地域を元気にする取り組みを企画・実践する人とその応援者をつなぐ目的で、実践者による活動報告や体験会が催された。

初回は10月上旬に趣旨説明を兼ねた交流会を開いており、本回は現地で踏み込んだ説明と実践を重ねる本年度2回目の実施である。東京都西東京市出身で熊野市に移住して5年の田中順子（なおこ）さん（44）は、自身のうつ病克服の経験をまとめたエッセーの執筆を進め、育生町の「こもりのくまの漫画ライブラリ」や周辺を歩いて案内した。

田中さんは「この町に恩返しし、病気から立ち直った人に向けたエッセーを書きたい」と述べた。茨城県石岡市出身で1年半前に熊野市新鹿町に移住した萩原里美さん（42）は、尾鷲市向井の県立熊野古道センターで、気温が下がる秋冬に体を温める薬膳カレーの料理教室を開いた。

萩原さんは国際中医薬膳師の資格を有し、「地域には高齢者も多い。体に良い食事の提案や、介護で疲れたときの憩いの場としても使ってもらえるようにしたい」と話した。プロジェクトは本年度中にさらに1回の実施を予定し、来年度以降の実現に向けて計画を詰めていく。