内浦湾を望むJR函館本線・森駅のすぐ前に、どこか懐かしい佇まいの『柴田商店』がある。ここでは通年で「元祖森名物いかめし」が販売されており、買いたてをその場で味わうことができる。

店内にイートインはなく、前のベンチで頬張るスタイルが基本である。函館駅から特急で約50分、札幌駅からは約3時間とアクセスも明示されている。

包みを開けるとイカと醤油の香ばしい香りが広がり、人肌の温もりが手に伝わるのができたてならではの体験である。イカの弾力と米の柔らかさが絶妙に絡み合い、味わいの余韻が残る一品だ。価格は「元祖森名物いかめし」990円で、器に鎮座する2匹のイカが見た目の魅力にもなっている。

販売は『柴田商店』だが、製造元は同じ森町内の『阿部商店』である。歴史は古く、阿部商店の“いかめし物語”によれば1941年に初代社長の奥様が考案し、試行錯誤を経て現在の形になったと伝えられる。

全国のデパート催事や真空パックの通販でも購入できるが、記事は発祥の地である森駅での出来たて体験を推奨している。旅先で出会う風景と一緒に味わうことが記憶に残る駅弁である。