11月22日、福井県あわら市金津創作の森美術館で開催中の「長坂真護展 Still A BLACK STAR」の関連企画として、長坂真護とTERUによるトークイベントが行われ、約600人を前に両者が制作や表現について語った。

長坂は展示作品「Moon in the forest」について触れ、体調不良で腕が動かない中で「自分が筆になろうという衝動にかられて、頭から墨をかぶった」と制作過程を明かし、「あの月は美しくみえると思うが、僕がもがき苦しんだ跡」「自分の人生を懺悔（ざんげ）する気持ちで書いた」と作品に込めた思いを語った。

ロックバンド「GLAY」のボーカルで画家の顔も持つTERUさんは、音楽や絵の制作に関して長坂と共通する「純粋に向き合う」姿勢を指摘し、純粋にものを作れたときに良いものができると述べた。

またTERUは制作の現場を「音楽を4人でわいわいしながら作っている姿を想像してもらいながら（皆さんに曲を）聞いてもらえているんじゃないかな」と説明した。

来場者からの質問では長坂が「来年アメリカに移住しようと思っている」と語り、自ら提唱する「持続可能な資本主義（サステナブル・キャピタリズム）」を広めつつアート活動と大学での研究を続ける意向を示した。

TERUは今後の目標について「3年後（2028年）に函館で国際芸術祭を立ち上げること。世界中の面白いアーティストに半年ぐらい住んで歴史、文化を学んでもらって作品を作ってもらうことが僕の目標」と語り、制作への姿勢と未来構想を明確にした。