2025.11.25
大阪公立大学の新キャンパス計画が始動
2025.11.25
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福島伸一理事長は長崎市で生まれ、高校までの18年間を故郷で過ごした。中学2年生のときに担任教師から不登校の同級生を毎朝迎えに行くよう言われ、片道10分の遠回りを半年間続けた経験が、人に寄り添う行動の基礎を育んだと語っている。
京都大学法学部卒業後、1971年に松下電器産業に入社し、松下幸之助の「企業は社会の公器である」という言葉を羅針盤とした経営観を培った。関西国際空港社長や大阪国際会議場社長を経て、2023年から大阪公立大学の理事長に就任している。
就任直後に5つのキャンパスを回り、15の研究科長・1学域長と意見交換を重ね、「できない理由ではなく、どうすればできるかを常に考えています」という姿勢で組織を動かす方針を示した。学外出身の理事を4人迎え入れ、そのうち3人が女性という布陣で外からの風を取り入れた。
森之宮キャンパスは13階建てでコンセプトは「知の森」。吹き抜けのピロティを支える真っ白な「樹形柱」が都市に伸びる大樹のように枝を広げる設計で、2025年9月に開かれる予定である。大阪の東西軸と京阪名エリアを結ぶ拠点として、学生・研究者だけでなく企業や行政、住民の知恵が交わる場を目指す。
医学部、工学部、獣医学部の協力や、経営学研究科による社会人向け大学院など学内外の垣根を越えた取り組みも計画されている。福島理事長は「社会の公器」をかたちにし、多様性を豊かに育む、社会と呼吸する大学にしていきたいと述べている。根底には一貫した「長崎愛」が流れ、長崎県観光大使や企業誘致推進委員として故郷の価値向上に携わる活動を続けている。
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