日本の鉄道旅の定番である駅弁が、韓国のソウル駅でも少数ながら存在することが確認された。売店では「シェフエ・ハンキィ（シェフの食事）」のいなり寿司や、「クンミン・トシラク（みんなの弁当）」のプルコギ弁当などが並んでおり、実際に購入して車内で食べられると店舗スタッフが答えた例もある。

価格例では、いなり寿司のハーフ4個が9000ウォン、大王サイズは2個で6000ウォン、4個で12000ウォン（11月14日時点のレートで1ウォン=0.11円）と紹介され、プルコギ弁当は11000ウォン前後の設定で副菜が複数入る仕様であった。

ただし韓国では弁当を意味する「トシラク」が一般的で、日本のような駅弁文化は多数派ではない。KTXの最長路線はソウル～釜山の全長417kmで、所要時間は最短で2時間15分、最長で3時間25分のため、長時間の車内食需要が相対的に低い点が指摘されている。

過去にはKORAIL（韓国鉄道公社）が「レーラック」と呼ばれる弁当の予約販売を行い、乗務員が席まで運ぶサービスもあったが、2025年現在は中止されている。さらに車内販売のカートは2017年頃までに廃止され、自動販売機中心の品揃えになっていることも示された。

駅構内には飲食店が充実しているため、乗車前後で食事を済ませる利用が多く、現在の韓国における駅弁は限られた存在であると結論づけられている。