三重県四日市市にある「さやま耕造登り窯」で、陶芸作品の窯出し体験が行われた。

同施設は50年前から毎年秋に地域の人たちの交流の場として陶芸制作の場を提供している。16日は県内外の約50人が参加し、参加者は2カ月かけて制作した作品を窯から取り出した。

取り出されたのはお皿や花瓶・オブジェなど200点以上で、じんわりと熱の残る登り窯の中から次々と運び出された。窯出しは焼き上がりの確認を兼ねた作業となり、個々の作品ごとに表情の違いが見られた。参加者の作品は2カ月の制作期間を経て、それぞれの色合いや形の変化が確認された。

窯主である医療法人社団主体会の川村直人理事長は「土から作品を作り上げ、楽しく交流をしてもらい登り窯の伝統を残すことにつながれば」と話していました。登り窯特有のゆっくりとした焼成により生まれる風合いが、参加作品に多様な表情を与えていた。

同施設は地域交流を目的とした制作の場の提供を続けており、今回の窯出しはその取り組みの一環として実施された。今回の取り組みは地元と県外の参加者が交流する場となり、登り窯の伝統や陶芸制作の魅力を紹介する機会になった。