三重県菰野町杉谷の尾高創房村にある「馬酔木窯」ギャラリーで、国際陶芸アカデミー会員の陶芸作家、森正さん(85)が主宰する「幸せを呼ぶ～干支展」が開かれている。

来年の干支の午（うま）を独創的な感性で表現した置物や絵皿、ペン立てなど90点余を展示しており、会期は30日までである。

白地に黒、茶、緑色の三彩技法で仕上げた力強いウマの器や、胴体に線彫りで植物や鳥を描いた織部手法の作品が並ぶ。

ひっかき技法で細かな模様を描いた作品や、寄り添う雌雄のウマ、親子ウマなどの造形も展示されている。

いずれも大きな体に比べて頭が小さく脚が短いという独特のプロポーションで、愛らしさと力強さが同居する作風である。

森さんは国内外で個展を重ね、平成27年に三重県文化功労賞と紺綬褒章を受章している。

森さんは「モンゴルの大草原を自由に駆け回り、幸せを謳歌している野生のウマたちをイメージしながら創作した」と語り、炎の造形による窯変の面白さも見どころだと話している。

馬の表情や釉薬の変化をじっくり観察できる展示構成となっており、技法の違いを楽しみながら鑑賞できる。

地元のギャラリーで開催される季節の展覧会として、多彩な技法と作者の長年の経験が反映された作品群が来場者を迎えている。